小さなコラム「みちくさ いたずら こどものじかん」

小さなコラム 秋 寒露 その2

2021年10月20日 17時31分

【10月20日更新】
寒露の次候は「菊花開(きくのはなひらく)」です。園庭の草花も少しずつ減ってきて、色水遊びに使える草花が少なくなってきています。まずは昨年の寒露、次候の小さなコラムをご覧いただければと思います。

0210⑬寒露②次候(菊花開)みちくさ いたずら こどものじかん.docx.pdf



今日はザクロを巡るすてきな取り組みをご紹介します。

昨年は秋に収穫のタイミングを逃してしまったザクロなので、今年は虫が付かないように折に触れて何度も剪定をしてきました。


そのお陰で数は少ないものの、きれいなザクロが実りました。2つは9月に収穫し、それを年長児たちは絵に描きました。


作品展では保育室に掛け軸のように表装を工夫して、おしゃれに飾って大勢の方に見てもらって、とても好評でした。


絵に描いた後、残っていた3つのザクロのうちの一つが裂けているのを年長児が見付けました。


しっかり色付いて裂け目が見えて、子どもたちは中がどうなっているのか見てみたい気持ちが高まっていました。そこで、ハサミで取ってみると、数が少なかった分、大きくてずっしりと重い、とても立派なザクロでした。


年少組にも見せに行き、先生が少しだけ割ってみると中にはきれいな実がたくさん入っていました。


半分に割ってみるとこんな感じでした。子どもたちはこのたくさんの実を見て、「何千万個あるのかなぁ」と言ったそうです。そして、数人の子たちが数えてみようということになりました。たくさんあると、どのくらい?という気持ちになるのも分かります。


コロナ以前は、食べることもしていましたが、この時節、これを食べてみることもできないので、子どもたちの数えてみたい気持ちを存分に発揮してもらいました。


どうやって数えようかと考えたときに、担任が「ジャガイモのときはどうしたっけ?」とつぶやくと、「そうだ10個ずつ数えればいいんだ」とこれまでの経験をすぐに思い出したそうです。担任が白い紙を用意すると、そこに10個ずつのせて、1から順番に数字を書き始めました。


コツコツと数えていた4人の年長児。私も他のことをしながら、時々様子を見に行っては、その都度驚きつつ写真を撮っていました。この時点で、数え始めてからすでに30分以上経過していました。


そして、数え始めて45分ほどたった頃、「園長先生!」と呼ばれて行ってみると、小さなザクロの実が10個ずつ載った紙には何と53、54という数字が・・・。全部で「534個だった!!」と、にこやかに教えてくれました。

数の多さもすごいのですが、何と言ってもこれだけの実を数えてみようと思った発想、実際に数えてみようとするチャレンジ精神、そして1時間近くも集中して取り組むことができる青南の子どもたちにあっぱれです!
そしてこれは、身近な自然に関心を寄せて、みんなで協力して手入れし、子どもたちの関わりを大切に指導を積み重ねてきたからこそ生まれた成果でもあります。

自然っておもしろい!子どもっておもしろい!そして、やっぱり保育っておもしろい!