幼稚園ブログ

色が作り出せるなんて、実はすごいことです

2020年6月12日 17時06分

自然との関わりは幼稚園における教育活動の中で、特別大きなウェイトを
占めているものです。
これまでのブログや小さなコラムでも青南幼稚園の豊かな自然の様子を
お知らせしてきましたが、それもそのままで教材となるわけではありません。
必要に応じて整えることをして初めて子どもたちの遊びの場や道具として
活用することができます。

今まで紹介してきたタンポポやチューリップ、オキザリスなどそれぞれに
固有の色で私たちの目を楽しませてくれました。
砂場の上のザクロは、きれいなオレンジ色の花を咲かせています。
地面に落ちた花びらやタコさんウインナーのようなガクは子どもたちの
遊びの素材となっています。


水曜日、先生たちは、色水遊びとして水につけて花の色を出すことを
経験させようと水の入った飼育ケースとビニール袋を用意しました。
小さなビニール袋に花びらと水を入れて上から揉むと色水ができます。

でも、実際にやってみると子どもたちはビニール袋に水をたくさん
入れがちで、その袋を揉んでも花びらに手が届きにくい様子です。
また、大きな水槽なのでたくさん水を汲みたくなって、
どちらかというと水遊びになってしまう傾向がありました。


私が気付いたことは、その場や保育後に先生たちに伝えました。
そして、そもそもこの活動で何を経験させたいのか、その経験を
させるためにはどんな物を用意し、どう働き掛けたらいいのかを、
先生たちに考えてもらいました。

すると、3日目の今日はビニール袋ではなく、透明のカップを用意し、
水も小ぶりのケースに少な目に入れてありました。
水を入れたカップにザクロの花びらを入れて手で揉むとすぐに水の
色が変わり、きれい!と声が上がります。


オレンジ色の花なのに、何故かきれいなピンク色なのです。不思議ですね。
緑色の色水はジャガイモの葉っぱです。
どちらも、前回よりも色が出ることをじっくりと試す様子が見られましたし、
できた色水を並べて眺めて見比べる姿も見られました。

今回、先生たちは、事前にいろいろな植物でどんな色が出るのか、
どのような方法がいいのかを試していました。これが教材研究です。
幼稚園の場合は、材料や素材の出しのちょっとした違いで子どもたちの
動きが大きく変わり、経験することも変わってきます。
ビニール袋や大きな水槽よりも、浅い透明のカップで少ない水の方が
よさそうだということを、先生たちも子どもたちも体験したと思います。

そして、今日の保育後、私は、先生たちに「これって色水遊びなのかな?」と
投げかけておきました。
絵の具やクレパスを使うのではなく、自分の手で色を作り出すことができるなんて
実はすごいことではないでしょうか?子どもたちにとっては、
花から色を取り出すなんて、生まれて初めての経験かもしれません。
そう考えると、色が出たことを実感するために準備する物(教材)はきっと
変わってくると思います。
そう思っていると、帰り際に先生たちはすでに別の教材を準備していました。
さすが青南の先生たちです。

週末、先生たちは英気を養いつつ、きっと次の保育の構想を練ってくるはずです。
来週は子どもたちが花や草たちとどんな出合いをし、どんな発見をするでしょう?
楽しみです。