幼稚園ブログ

必要感があるから考え、実体験を通して学びます

2020年6月17日 20時12分

幼稚園での自然との関わりは、子どもたちにとって様々な学びの機会です。

ジャガイモや夏野菜などの栽培活動は長期にわたって世話をする過程で、
植物の生長や変化に気付いたり、不思議だなと思うことを調べたりすることで、
科学の芽につながる学びの機会となります。

植物は喉が渇いても水を飲みに行くことができません。
「足音を聞かせる」というのは、野菜の様子を見て、水が足りないみたいだとか
伸び過ぎているようだとか、相手の様子に心を寄せることが大事という意味です。
世話をする過程で、野菜への親しみや食べ物を得ることの大変さも学びます。

今日のように収穫するとき、先生たちは数や大きさについての気付きを促します。
それを先生からすぐに教えることをしないのが、幼稚園の教育において大事な
ポイントです。


掘り出したジャガイモが、たくさんベンチの上に集まってきました。
たくさん掘れたね、といううれしい声があちこちであがり、
どのくらい掘れたの?いくつ?などという声も聞かれ始めました。
先生たちは、子どもたちがそれをどうするかについて見通しをもって
腹案をもっているのですが、じっと見守っていました。

そのうち、並べるという動きが出てきました。






真っ直ぐには並べきれなくなり、最終的にはコの字になりました。
とにかくたくさん取れたことは分かったようですが、ちゃんと数は
数えられたのでしょうか?

そう思って、見ていると、しばらくすると、こんな様子になっていました。


子どもたちとのやり取りの中で、先生たちからヒントとして出した教材が
紙製の卵パックでした。
一つのパックに10個ずつ入れられますよね。なかなかいいアイデアです。


小学校の算数の授業で、たくさんの物を数えるときに、10個ずつの
かたまりにまとめるという考え方をします。
そのことを実際に体験しているかどうかは、理解に大きな差を生むでしょう。

さらに言えば、それがわくわくする体験なのか、自分から数えたいという
必要感があってしたものかによって、心もに残る物が違うと思います。



実体験を通して学ぶのが幼稚園です。
そして、必要感を感じて、自分たちでやろうとする気持ちを大事にする
のが幼稚園の教育なのです。
そして、こう並べると簡単に数えられました。
何と、340個!すごいですね。

明日以降、このジャガイモをどうするかを考え始めることでしょう。
必要感を感じたところで、今度は大きさについての動きが出てくるのでは
ないかと思います。
さて、どんな展開になるか、楽しみです。