小さなコラム「みちくさ いたずら こどものじかん」

小さなコラム 秋 立秋 その3

2021年8月23日 15時22分

今日は実は、二十四節気の「処暑」です。朝晩は少し涼しい風が吹き、草むらからは鳴く虫たちの演奏が聴かれる季節となりました。

とはいえ、その前に、昨年の立秋の末候「蒙霧升降(ふかききりまとう」の小さなコラムをご紹介しておきます。

0208⑨立秋③末候(蒙霧升降)みちくさ いたずら こどものじかん.pdf



青南幼稚園の周囲には、岡本太郎記念館、根津美術館、秋山庄太郎写真芸術館など有名な美術館がたくさんあります。青山陸橋をまっ直ぐに行けば、新国立美術館に着くくらいで、本当に近くにいろいろなスポットがあります。

オリンピックが開催され、明日はパラリンピックの開会式が行われる国立競技場もほど近いところです。今は外出を控えなければいけませんが、この状況が収まったら、個人的にも子どもたちとも行ってみたいところがたくさんあるすてきな街です。

小さなコラム 秋 立秋 その2

2021年8月20日 15時56分

立秋の次候は「寒蝉鳴」です。

幼稚園の園庭で鳴くセミも、ミンミンゼミ、アブラゼミに加えてツクツクボウシも鳴いています。昨年のこの時期の小さなコラムも初候に続いてセミの様子を紹介しています。

先日、ある大学の先生方が来園され園内の様子を紹介しながらお話する機会がありました。その際に、zoomでつながっている学生さんたちに、昨日改めて紹介したセミの羽化の連続写真も紹介しました。すると、画面越しに手で画面を隠して目を背ける姿が目に留まりました。

私はセミの羽化をきれいと思いますが、人によってはそう思えない人もいるのです。身近な人の中でも、カエルが苦手、イモムシが苦手、幼虫はいいけれどチョウチョがダメなど、いろいろな人がいます。

来週からパラリンピックも始まります。オリンピックのときから、多様性のことは話題になっていましたが、このような身近な生き物の好き嫌いも人それぞれ、多様です。

今日改めて紹介している昨年の「寒蝉鳴」の小さなコラムは、ちょっと羽化できなかった残念な写真も載っていますので、苦手な人はクリックしない方がいいかもしれません。


0208⑨立秋②次候(寒蝉鳴)みちくさ いたずら こどものじかん.pdf


道端でひっくり返っているセミが急にバタバタと動き出して驚かされるということも、この時期よくあることですね。でも、そんなセミのおなかを見ると、オスかメスかはすぐに分かります。勇気のある方はクリックしてご覧ください。


全国各地で大雨による被害が出ていて心が痛みますが、ここ数日、東京は先週までの肌寒く雨続きから一転、真夏のような暑さが続いています。空が真っ青です。


園庭のサルスベリが白い花を咲かせています。去年は夏休みが短かったため、この花が咲いている時期に保育があり、落ちた花びらを遊びに使う姿がたくさん見られました。この花が9月までもつかどうかは分かりませんね。


子どもたちと種を蒔いて育てているヒマワリは、背丈がどんどん伸びて、小ぶりの花を咲かせています。先週までの大雨や風も何とか乗り越えてくれています。


ピーマンやトマトは元気です。幼稚園で野菜を育てたことをきっかけに自宅のベランダでも野菜を育て始めたご家庭もあったようです。遠出もなかなかできない中、身近な自然の変化を楽しむことで、残りの夏休みを元気に楽しく過ごしてもらえたらうれしいです。

小さなコラム 秋 立秋 その1

2021年8月19日 12時24分

二十四節気では、8月7日には「立秋」を迎え、暦の上では夏から秋に季節は移り変わっています。節電や働き方改革の意味から設けた2週間の閉庁期間が明けました。少し遅くなりましたが、小さなコラムのコーナーを更新します。

二十四節気「立秋」.pdf



昨年のこの時期の小さなコラムをまず再掲しますので、ご覧いただければと思います。

0208⑨立秋①初候(涼風至)みちくさ いたずら こどものじかん.pdf

毎年、自宅への帰り道で公園の中を通る際に「のこのこ」を見付けて、踏まれてはかわいそうだからと連れて帰り、羽化の様子を見るのが楽しみになっています。

8月初めの頃のブドウはこんな感じです。早くも色付いているものもあり、夏休み中にどうなるのか、楽しみでもあり心配でもあります。


かぼちゃは夏休み前に、病気で傷んだ葉っぱを子どもたちと切り取りましたが、8月の初め頃になると、少しずつ新しい葉っぱが出てきていました。

小さなコラム 夏 大暑 その3

2021年8月3日 08時42分

【8月4日更新】
季節は大暑の末候です。「大雨時行」となって少しは夕立が降って、涼しくなってほしいと思うここ数日の猛暑です。それでも、あと数日で季節は「立秋」だと思うと不思議です。
0208⑧大暑③末候(大雨時行)みちくさ いたずら こどものじかん.pdf

まずは、昨年のこの時期の小さなコラムをご覧ください。


夏休みは、普段なかなかできない環境整備をすることも大事な仕事です。先週から今週にかけては、暑い中でしたが時間を区切って、倉庫の整理、絵本の部屋の整理、園庭のプランターや畑などの自然環境の整備を行いました。


3階の絵本の部屋は、いろいろな絵本や紙芝居、図鑑などがたくさんあります。普段はここから、時期や実態に合ったが絵本を選んで保育室の絵本コーナーに置いています。


2階に上がる踊り場にある教材倉庫は、遊びを豊かにするための様々な道具や紙、テープなどありとあらゆる物が入っています。分類して置けるようにはなっていますが、時々はこうやって整理することが必要です。


園庭奥の竹林は、ニョキニョキ伸びてきた竹が増えて、密になり、下草の笹もちょっと伸びてスペースを取り過ぎていましたので、園長と主事さんと一緒に間引いたり、下草刈りをしたりしました。


塩分補給のタブレットを舐めたり、水分補給をしたりしながらの大仕事でした。ありがとうございます。


だいぶすっきりして、また2学期が始まる頃にはちょうどいい具合に少し伸びてきてくれているといいと思っています。


夏休みの最初の4連休の暑さで葉が枯れてしまったアジサイは、プランターが小さかったので、先生たちが大きなプランターに移植してくれました。その後しばらくすると、ちゃんと新しい葉っぱが芽吹いているのを見付けました。これも「自然っておもしろい!」と思える出来事です。自然の生命力のすごさを感じます。


園庭のあちこちに、小さな穴が開いています。これが何の穴なのかは、このホームページをいつもご覧いただいている方ならば、きっとすぐに分かるでしょうね。


バラ門の近くに植え替えた小さなヒマワリがきれいに咲いています。西側の道路沿いにも植えてあります。だいぶ前にお子さんを通わせていたという方が、わざわざ届けてくださったヒマワリです。かわいく咲き始めてうれしいなと思っていたら、その上でセミが羽化したようでした。大暑の末候「大雨時行」、園庭ではセミが一日中鳴いています。

小さなコラム 夏 大暑 その2

2021年8月2日 15時04分

大暑の次候は、土潤溽暑です。

昨年は、7月いっぱい保育があり、一学期の終わり頃に小さなおまつりをしました。昨年のこの時期の小さなコラムには、そのときの様子を記していますので、ご覧いただけるとうれしいです。

0207⑧大暑②次候(土潤溽暑)みちくさ いたずら こどものじかん.pdf



今年は梅雨が明けてしばらくは、どの学年も園庭で遊ぶことができました。先日もお知らせしたように、ミストが付いたお陰で、少し暑さをしのぐことができました。


年少組は、水道の前にマットを敷き詰め、たらいや机を出して、数回水遊びをしました。今年はプールを出さなかった代わりに、このような形で水と関わる遊びを楽しみました。


年中児は、砂場でどろんこ遊びをたくさん楽しみました。裸足になってたくさん遊んで汚れても、自分たちで足を洗ってタオルで拭くこともできるようになりました。この日は剪定したブドウの葉っぱをどろんこ遊びに使っていました。


学期末、年長児は遊びに使ったままごとのスカートやエプロンなどをたらいで洗濯しました。仕上げは洗濯機でするのですが、自分たちの生活の場を自分たちで整えることをすることはとても大事だと思っています。


洗濯物をロープに乾していくと、重さで地面に着きそうになってしまいました。どうするだろうと見ていると、気付いた子がロープを持ち上げました。生活をしているといろいろなことが起こり、それに対応する必要性が生まれ、考えて、何とかしようとします。


最後は大人の手助けも必要でしたが、一緒に生活する仲間で協力して、このように生活する場を整えることも幼稚園で大事にしていることです。年長児は一学期、片付けの意味ややり方、きれいになると気持ちがいいという経験を丁寧に積み重ねてきたので、その延長線上に学期末の大掃除がつながっています。夏休み中も、子どもたちでができる仕事を任せてみると、かなりの戦力になると思います。

小さなコラム 夏 大暑 その1

2021年7月27日 12時03分

二十四節気では「大暑」、一年で一番暑い季節を迎えています。

二十四節気「大暑」.pdf


まずは昨年のこの時期の小さなコラムを再掲しますので、ご覧いただければと思います。

0207⑧大暑①初候(桐始結花)みちくさ いたずら こどものじかん.docx.pdf

去年は7月16日にセミの初鳴きを聞いたと書かれています。


今年は、先日も書いたように、7月6日には園庭でセミが鳴き始めていましたから、去年よりも10日は早いことになります。


私自身の家の近くでセミの幼虫を発見し、時には家に連れて帰って羽化の様子を観察するのですが、例年それは8月に入ってからです。でも、それも今年は7月10日前後には見掛けました。幼稚園でも7月のうちから抜け殻を見掛けています。


梅雨時には私たちの目を楽しませてくれていたアジサイも、だんだんと色褪せてきました。


これも季節の移ろいです。徐々に花が咲いていくときは楽しみですが、このような移ろいも大事にし、手入れをする過程を子どもたちにも見せていきたいと思っています。今回は、来年の花を見ることになる年中児が園庭にいるときに、「来年もきれいに花が咲くように切るね」と言いながら、剪定作業をしました。


その後、4連休で水が足りず葉が枯れてしまったので、大きなプランターに植え替えて樹勢の回復を待っているところです。来年の自然環境、教材の準備を今から行っているのです。

小さなコラム 夏 小暑 その3

2021年7月26日 16時23分

小暑の末候は「鷹乃学習」です。

0207⑦小暑③末候(鷹乃学習)みちくさ いたずら こどものじかん.pdf



今年は雨の日が多かったように感じました。


砂場の様子を見て、「先生、砂場が海になっちゃった」と年少児がつぶやいていました。


そんな雨が続く間、先生たちは保育室や廊下、遊戯室などでも体を使って遊べる場を設定したり、生活の流れを調整したりして工夫してくれました。


お陰様で梅雨時も室内でも落ち着いて遊ぶことができ、年少、年中組は登園時に分散しての保育参観を行うことができました。

年長組は午後の遊びの様子をこちらも日にちを分散して、参観していただくことができました。

そのうち、空の様子がガラリと変わりはじめ、梅雨が明けました。


今年はPTAの皆さんと協力して、暑さ対策にミストを設置することにしました。主事さんにも手伝ってもらって、テラスの上のダクトに取り付けました。


ちょうど、梅雨が明けて、日差しがきつくなった頃に設置できたので、初めて稼働したときは、子どもたちも上を見上げて気持ちよさそうにしていました。細かい霧が出てきて、かなり気持ちよく涼しさを感じます。


日差しが出てくるようになったら、洗濯日和です。終業式を前に、年長児はままごとのスカートなどを自分たちで洗濯して、ロープに干すという自分たちの生活に関することを自分たちでしました。

小さなコラム 夏 小暑 その2

2021年7月26日 14時54分

7月7日は小暑で七夕でした。


ちょうどその頃、園庭で今年初めてセミの鳴き声を聞きました。桜の木の上で鳴いているのは分かり、子どもたちも見上げていました。今年は夏が早くやってきたように感じます。

小暑の次候は「蓮始開」です。
まずは、昨年の小さなコラムを再掲しますので、ご覧ください。

0207⑦小暑②次候(蓮始開)みちくさ いたずら こどものじかん.pdf



今年は7月になって、プランターのアサガオが少しずつ咲き始めました。


自然っておもしろい!をテーマに園内研を進めていますが、このアサガオもせっかくだからと、つるを絡ませてトンネルにしてみようと実験してみたところです。


年長の研究保育の日には、そのアサガオなどを使って色水を作ることを楽しむ子どもたちがいました。今回は講師の先生の都合でオンラインでの実施となり、観察者となった先生たちはそれぞれ保育を動画で記録しています。


砂場ではいろいろな遊びを楽しむ子どもたちの姿がありました。それぞれの楽しんでいるところを記録者がポイントを絞って動画で撮影しました。協議会までの間に、その映像の中から話し合いに使えるものを絞り込んで、オンライン協議会に臨みました。


園内研としては初めての試みでしたが、講師の先生も含めて、全員が同じ場面を見ることができ、その場面の説明がとても的確だと講師の先生からお褒めの言葉をいただいて、意外とオンライン研修も悪くないかもと自信をもつことができました。

小さなコラム 夏 小暑 その1

2021年7月14日 15時31分

7月7日は、二十四節気の小暑です。

二十四節気「小暑」.pdf


まずは、昨年の小さなコラム「小暑」を再掲しますので、一度ご覧いただければと思います。

0207⑦小暑①初候(温風至)みちくさ いたずら こどものじかん.pdf

昨年の小さなコラムを見ると、改めて昨年の7月はようやく全員が登園し始めたばかりでした。園全体で集まることはできず、その後の集会はずっと学年ごとでの集まりです。


年中児は、ハサミも使って四角や三角を作ることも楽しんで、星空まで届くようにという願いをもって、たくさん糊でつないでいくことを楽しみました。


指に絵の具を付けて描いたアジサイもきれいにできていました。
そして、7月7日は、七夕子ども会でした。


年少組は、紙芝居で七夕のお話を聞きました。


こちらは年中組です。どの学年でも、この機会に新しく経験した折り紙やハサミで作ったいろいろな笹飾りを紹介しました。大きい組になると難しいことがきれいにできるようになって、かっこいい!という憧れの気持ちをもつ機会にもなります。


年中、年長組はお話の後に、ブラックライトを使ったパネルシアターを見ました。織姫と彦星の話が幻想的に映し出されて、楽しいひとときとなりました。


当日は、各自笹飾りを持ち帰りましたが、この飾りは前の週に、地域に飾ってもらう分の写真です。例年、年長児が表参道の交番や駅、生涯学習館にお届けしていましたが、今年は雨だったので教師がお届けしました。地域の中でいろいろな人にお世話になっていることに感謝する気持ちをもつ機会となっています。

小さなコラム 夏 夏至 その3

2021年7月12日 11時43分

夏至の末候は、半夏生です。

まずは、昨年の小さなコラム「半夏生」を再掲しますので、一度ご覧いただければと思います。

0206⑥夏至③末候(半夏生)みちくさ いたずら こどものじかん.docx.pdf




ハンゲショウは、伸びてくると茎の先端の葉が半分白くなるドクダミの仲間の水辺を好む植物です。今年は去年よりもだいぶ早く、6月の上旬にはわくわく池に姿を見せてくれました。


こちらは去年の6月下旬の写真です。両方ともちょっと分かりずらいかもしれませんが、先端の葉っぱが半分白くなっている様子が半分化粧したようなので、半化粧・半夏生というわけです。


さて、今年育てている野菜は他にもたくさんあります。年少組はずっと世話をしてきた枝豆を収穫しました。雨が続いてしまったので、朝のうちに先生たちがプランターをウッドデッキに運んで、一人数粒ずつ丁寧に収穫することができました。


職員室に「おいしくしてください」と持って来ました。この日は、2粒入ったさやを2つずつ食べ、3粒入ったさやはお土産で持ち帰りました。


年長児が掘ったジャガイモは先日、茹でて全学級でおいしくいただきました。それでもまだ少し残った分を厚めのポテトチップスにして、これは年長児だけが特別のごちそうとしていただきました。


「ピーマンは本当は嫌いだったけれど、食べてみたらおいしかった」「自分たちが育てたから、おいしい。もっと食べたい!」などという声が、このところ、食事の場面でたくさん聞かれました。長い期間見守り育て、そのご褒美として採れたての味を味わう貴重な体験ができている大きな成果です。


ずっと世話をしてきた野菜が採れたときには、自分たちで喜ぶのはもちろん、他の学年や学級にもお知らせにいくことが習慣になっています。自らの喜びを仲間と共有したいという気持ちが育っています。自然との関わりから、知らせたいという気持ちが高まり、人との関わりが深まってきていてうれしい限りです。

小さなコラム 夏 夏至 その2

2021年7月2日 19時20分

夏至の次候は「菖蒲華」です。

0206⑥夏至②次候(菖蒲華)みちくさ いたずら こどものじかん.pdf


昨年のコラムでは、わくわく池でトンボがたくさん見られたことを紹介していました。

今年は、4月からわくわく池にはいろいろな種類のヤゴやトンボが姿を見せてくれています。


これはオオシオカラトンボのオスです。こんな立派なかっこいいトンボがいつも池の傍にいるのですから、子どもたちが夢中にならない訳がありません。


子どもたちが何とか捕まえようと、いろいろ工夫している姿や作戦を考えてうまく捕まえられたときの喜びようや仲間同士の情報伝達の速さからは、学級としてのつながりが感じられ、自然との関わりを通して心の育ちを実感できてこの上なくうれしい気持ちでした。


さて、梅雨に入って、子どもたちが苗や種から育てている畑やプランターの野菜たちがどんどん大きく食べ頃を迎えてきています。


南青山産の野菜を採れたてのおいしい状態で味わうことができる子どもたちは、何と幸せなことでしょう。


少しずつ食べ頃を迎えるミニトマトは、一人一個ずつ、順番に持ち帰って、家で味わってもらっています。


毎日、園庭に出るとまず自分たちが苗を植えたプランターの野菜のところに見に行って、色付きや大きさを観察して、「大きくな~れ」「おいしくな~れ」と水やりをしていますから、食べたときの感動は格別なのです。

小さなコラム 夏 夏至 その1

2021年7月2日 16時11分

梅雨らしい日々が続いています。昨日も今日も一日中雨で、外遊びができないのですが、昼過ぎにウッドデッキから園庭を眺めていた年少児が、「あ~、砂場が海になってる」とつぶやいていました。空を眺めて外で遊べないねとは言いながらも、雨が木々に打ち付ける様子や砂場の様子をおもしろがる心は子どもたちにかないません。

さて、夏至も末候を迎えていますので、6月21日からの夏至の季節の自然や子どもたちの様子を昨年の同じ季節の小さなコラムと比較して紹介したいと思います。今回はジャガイモの話題です。

二十四節気「夏至」.pdf


夏至の初候は、乃東枯です。

0206⑥夏至①初候(乃東枯)みちくさ いたずら こどものじかん.pdf



昨年の小さなコラムは、6月中旬に、畑で育てたジャガイモを収穫して、数えた様子をお知らせしました。

今年も、昨年度末に種芋を植えたジャガイモが大きくなってきており、好天が続いた28日に芋掘りを決行しました。

「うわぁ、たくさん!」「これならみんなで食べられそう」と言いながら、「こっちにもあった」とみんな大喜びで掘りました。


たくさん収穫できたものを数えてみることにしました。去年もそうでしたが、ここで今までの経験を生かしたり自分の頭で考えたりすることを大事にするのが幼児教育の肝です。


そして、この子たちは紙テープを使って長さを計っているところです。


これは、進級してから時々楽しんできたカプラタワーゲームで高さを比べるときに紙テープで比べてきた経験が心に残っていたからです。おもしろい発想です。


ジャガイモをベンチの上に並べてみたときに、長さを計ればいいのだと感じたのでしょう。でも分かったのは芋の数ではなく、ベンチの長さだったという経験は決して間違いでもなく、大事な試行錯誤であり、何物にも代えがたい実体験なのです。


大きいものと小さいもので分けるという試みもしていました。また、「全部で50個だった」「違うよ、31個だよ」という声も聞こえてきました。数えている傍から新しく掘れたジャガイモがどんどん追加されて混乱していたのです。


次に思い付いたのが、ある程度数えたらまとめて置いておくという方法でした。そんな試行錯誤をたくさん繰り返してきた頃に、遊びの中で卵パックを遊びの中で使っていたことを思い出せるように、さりげなく教師が気付かせると、この写真のように卵パックに入れると10個ずつの塊として数えられることに気付いて、試し始めました。


最終的には、卵パックが33個ということで、330個も収穫できました。小さいものや緑の物など食べられないものを除いても約170個はみんなでおいしく食べられそうでした。


ジャガイモ掘りの翌々日、朝のうちに先生たちが皮むきしたジャガイモを茹でて、こふき芋のようにしていただきました。年少児はお皿にのった芋を見ただけで、もううれしくて仕方ない表情です。


その翌日には、芋をずっと育ててたくさん頑張った年長児は、少し厚切りのポテトチップスもいただきました。

食べ終わると、職員室に「おいしかったです。お料理してくれてありがとうございました」とお礼を言いに来てくれるのもうれしい姿です。食を通じていろいろな側面が育つところも、自然との関わりのおもしろさだと改めて思います。

小さなコラム 夏 芒種

2021年6月21日 10時06分

21日は、二十四節気の夏至でした。
昨日も今日も梅雨の晴れ間で、プランターや畑の野菜がぐんと生長しています。

二十四節気「芒種」.pdf



さて、ここでは二十四節気の芒種の頃の今年の様子を去年の芒種の小さなコラムと合わせて、振り返ってお知らせします。

芒種の初候は、蟷螂生です。

0206⑤芒種①初候(蟷螂生)みちくさ いたずら こどものじかん.docx.pdf


蟷螂生とは、カマキリの卵から小さな赤ちゃんカマキリが生まれる季節ということです。いろいろな生き物がいる青南幼稚園ですが、カマキリはまだ見かけたことがありません。代わりにこの写真は、先日からずっと年長児が世話をし続けているヤゴです。


ヤゴもわくわく池で何種類も見付けていますが、これはギンヤンマのヤゴです。今年はその羽化したばかりの様子を、保育中に何度も目撃することができているのですが、この子たちは、まさに羽化する瞬間をぜひとも見てみたいと、ずっと世話をして飼い続けているのです。


生きた餌しか食べないことを知って、オタマジャクシとヤゴとどちらの命を選ぶかみんなで葛藤し、議論を積み重ねて、ずっと世話を1か月以上続けているのでますが、まだ羽化しないのです。随分のんびりなヤゴちゃんなのです。池にはオタマジャクシもついにいなくなり、土工場にミミズを探しに行っているようです。


芒種の次候は「腐草為蛍」です。

0206⑤芒種②次候(腐草為蛍)みちくさ いたずら こどものじかん.docx.pdf

去年は、入園式の式花がアジサイだったとお知らせしましたが、今年はプランターにアジサイがきれいにたくさん咲いて、みんなの目を楽しませてくれています。

咲き始めた頃、そのきれいな姿を見て、絵を描きたいと思った年長児は、よく見てマジックで細かく描き、固形絵の具でそれらしい色を付けて、小さな画伯のようでした。


年少児は、部屋の前にアジサイのプランターを持っていくと、きれいだねと興味をもちました。そこで、先生がスポンジのスタンプと雲形の画用紙を用意しました。ギューポン、ギューポンと押して遊んでいると、いつの間にかきれいなアジサイができます。ギューポン、ギューポンと何日も楽しみました。


今日は水色、次の日は紫、今度はピンクなど、繰り返し楽しめるように色を変えていくきました。これは、同じようなことを何度も繰り返す中で、慣れて楽しさを実感し、少しずつ工夫も生まれるようにするという、年少児に対する指導の工夫の一つです。


年中児は、また別の形でアジサイを表現することを楽しみました。自分のアジサイを作ってみようと、指に絵の具に付けて丸い紙にポンポンと指スタンプを押していく技法に挑戦しました。


初めての指スタンプ、ちょっと不思議な感触だったかもしれません。ピンクや紫の他に、白を加えたことで、発色もきれいで趣きのあるすてきなアジサイができて、満足そうな年中児でした。


年中児は、はじき絵の傘、しずくちゃん、雨だれちゃんも作って遊びました。アジサイと同様に、季節にちなんだ身近なものをテーマに、描いたり作ったりすることのおもしろさを味わいつつ、ハサミを使ったり、モールを使ったりして、表現や素材の幅も広げています。


芒種の末候は「梅子黄」です。

0206⑤芒種③末候(梅子黄)みちくさ いたずら こどものじかん.pdf


梅の実が黄色くなる頃ですが、今年、色付くのをずっとみんなで見守っていたのはアンズです。

去年は、梅もアンズもほとんど生りませんでした。今年は春からアンズはきれいな花が咲いており、春休みの工事でも傷付かないようにお願いし、その後もアブラムシが付いてしまった葉を剪定する作業を子どもたちにも手伝ってもらいながら、ずっと実が生り、色付く様子を楽しみに見守ってきました。


5月後半頃から色付き始め、ときどき下に落ちているアンズを見付けることもありました。


たくさんの実がついに色付いてきて、週末のうちに実が落ちてしまうのが心配で、5月末に、年長児が園代表でアンズを収穫しました。


この日に採れたのは、このくらいです。翌週に、年中児もさらに色付いたものを収穫しました。きれいに洗って拭いて、冷凍しておいて、その間にどうやって食べようかと楽しみに相談していました。


その後、幼稚園は徐々におまつりムードとなり、17日には青南まつりが開催されました。そして、その日の午後、先生たちは満を持してジャムづくりを始めました。


冷凍庫から取り出したアンズをコトコトと砂糖と一緒に煮込みます。焦げないように、先生たちが交代しながら2時間!おいしいジャムに仕上げたのです。


青南まつりの翌日、昨日はよく頑張ったね、そして楽しかったねという記念に、クラッカーにアンズジャムをのせて、おいしくいただきました。


特にアンズの収穫をして、おまつりも頑張った年長児にとっては、最高のご褒美になったのではないでしょうか。おいしかったね。自然の恵みに感謝です。ご馳走さまでした!

小さなコラム 夏 小満

2021年6月8日 14時45分

二十四節気「小満」.pdf



6月に入り、次の季節に移り変わりましたが、ここでは二十四節気の小満の様子を昨年のコラムと合わせてご紹介します。

小満の初候は、蚕起桑食です。

0205④小満①初候(蚕起桑食)みちくさ いたずら こどものじかん.pdf


青南幼稚園の園庭には、アゲハチョウが卵を産みにくるように、みかんの木があちこちに植えてあります。子どもたちは、去年の経験もあり、虫好きの子たちはしょっちゅう探しに行っています。

幼虫やサナギに名前を付け、愛着をもって育て、生長を楽しみに見守っています。


今年は、茎ブロッコリーを育てていましたが、収穫後にモンシロチョウの幼虫を発見し、見付けた年長児が自分たちだけでなく、他の学級に届けてくれたので、今年はすべての学級でモンシロチョウを育てることができました。


降園時に保護者の皆さんに空に放すところを一緒に見てもらうこともできました。


この日は、空に飛び立つ前に、カメラを持っていた私の袖に止まってポーズをとってくれたモンシロチョウでした。


小満の次候は、紅花栄です。

0205④小満②次候(紅花栄)みちくさ いたずら こどものじかん.docx.pdf

昨年の小さなコラムでは、園内にある赤い実のなるものとして、ユスラウメ、グミ、ヘビイチゴを紹介しました。


今年も、築山の上のユスラウメは透き通った赤い実を付けてくれました。


5月後半、このタイミングを逃すともう食べられないという日に、年長児がかごを持って収穫しました。


今年はあまりたくさんは採れませんでしたが、きれいなユスラウメらしい透き通った感じの赤が印象的です。


数が足りず、結局一人半分ずつでした。その分、みんな慎重に口に運んでいました。初めて食べた子も多く、半分だけでは味も十分には感じられなかったかもしれませんが、とても貴重な体験ができた年長児でした。


小満の末候は、麦秋至です。

0205④小満③末候(麦秋至)みちくさ いたずら こどものじかん.docx.pdf

昨年のこの時期は、3か月間の臨時休業がようやく開けて、幼稚園が再開し、6月初めの入園式という前代未聞の事態でした。あれから1年が経ったのですね。


今年も5月後半から、アジサイがきれいに咲き始めています。

園だより6月号の巻頭言に、アジサイは前任の先生が挿し木してくれたものと紹介しましたが、実は、もう一つ別のアジサイもあるのです。


昨年の入園式は6月だったので、式場に飾った花がアジサイだったのです。その花を式の後、プランターに植え替えたものが、今年も花を付けたので、アジサイが増えているという訳です。


虫や草や花を見て、きれいだなぁ、すごいなぁと心が揺さぶられる経験をたくさんしている青南幼稚園の子どもたちです。毎年、その感動をいろいろな形で描くことが楽しくて、対象や技法などは違っても、繰り返されてきていることで、子どもたちの表現遊びの文化として受け継がれつつあるように思います。


この日は、年長児がアジサイを描きたいと、ペンで細かく描き、固形絵の具で色付けをしていました。一足早く帰る年少組の親子が、「すごいね」「きれいなアジサイが描けているね」と感心して声を掛けてくれ、小さな画伯たちはちょっぴり誇らしげです。


きれい、おいしそうと思ったときに、その感動を絵に描いてみると、子どもらしい個性的な表現が生まれることを先生たちも学んできています。このような活動は、先生たちが自然との関わりが表現活動を豊かにすることが実感できており、おもしろいと思っていることが大事なポイントだと思っています。そして、そのために教材研究や指導の工夫もたくさんしているからこそ、この姿が見られているのです。

小さなコラム 夏 立夏

2021年5月21日 19時20分

季節の移ろいは本当に早く、あっという間に5月も中旬を過ぎました。
ちょっとさかのぼって、立夏の半月を振り返り、去年の今頃と比べてみましょう。

立夏の初候は蛙始鳴です。

0205③立夏①初候(蛙始鳴)みちくさ いたずら こどものじかん.pdf


青南幼稚園のわくわく池は生き物のオアシスです。今年も、子どもたちがいろいろな発見をしています。


まだオタマジャクシもいます。足や手が出てきたものもいますが、カエルは見かけないと思っていたら、どうやら池の周囲の草などに隠れているようです。誰もいなくなるとそうっと出てきて、気配を感じるとさっと隠れてしまいます。


ヤゴもたくさんいて、いろいろな種類のヤゴを発見しています。

0205③立夏②次候(蚯蚓出)みちくさ いたずら こどものじかん.docx.pdf


立夏の次候は蚯蚓出です。


畑の茎ブロッコリーを抜いて、次の野菜のために畑を耕しました。
こんなときには、幼虫やミミズを見付けることが多くあり、虫好きな子たちは大喜びです。


年長児は去年の年長児がやっていた、土工場のマシーンを使って土をふるいにかけました。二人組で動かすので思わず「はい、はい!はい、はい!」と自然に掛け声が出てきて、動きを揃えようとするのがとても興味深く、おもしろい姿でした。
隣にいた子が「はいはいって、赤ちゃんじゃん」と笑っていたのも、また子どもらしい受け止めで、おもしろくて笑ってしまいました。


昨年度末に作った土工場も周りのフキがどんどん広がって、隠れてしまうくらいです。


フキの葉っぱの上をカタツムリが散歩中でした。

0205③立夏③末候(竹笋生)みちくさ いたずら こどものじかん.docx.pdf

立夏の末候は「竹笋生」です。
昨年のこの号でぶぅちゃんと背比べをして紹介した2本の竹があります。


切らずに残して1年たちますが、通路の真ん中で、時々子どもたちに揺さぶられていますが、しなやかにかわして、元気です。


去年、この竹の葉っぱ:笹をいろいろな形で遊びに使えることを紹介し、子どもたちも使って遊ぶことが増えました。私は腰の剪定ばさみで切りますが、子どもたちはたくましく手でむしり取っています。


子どもの手の届く高さの葉っぱがすっかりなくなっているのが、その証拠です。ちょっとおもしろい去年との大きな違いです。
竹の近くでは、「虫見付けた」「いちご(ヘビイチゴですが)があった」など、子どもたちの興味は尽きません。


私も見付けました。さて、笹の葉っぱについているこの生き物はなんでしょう?