小さなコラム「みちくさ いたずら こどものじかん」

小さなコラム 夏 小満

2021年6月8日 14時45分

二十四節気「小満」.pdf



6月に入り、次の季節に移り変わりましたが、ここでは二十四節気の小満の様子を昨年のコラムと合わせてご紹介します。

小満の初候は、蚕起桑食です。

0205④小満①初候(蚕起桑食)みちくさ いたずら こどものじかん.pdf


青南幼稚園の園庭には、アゲハチョウが卵を産みにくるように、みかんの木があちこちに植えてあります。子どもたちは、去年の経験もあり、虫好きの子たちはしょっちゅう探しに行っています。

幼虫やサナギに名前を付け、愛着をもって育て、生長を楽しみに見守っています。


今年は、茎ブロッコリーを育てていましたが、収穫後にモンシロチョウの幼虫を発見し、見付けた年長児が自分たちだけでなく、他の学級に届けてくれたので、今年はすべての学級でモンシロチョウを育てることができました。


降園時に保護者の皆さんに空に放すところを一緒に見てもらうこともできました。


この日は、空に飛び立つ前に、カメラを持っていた私の袖に止まってポーズをとってくれたモンシロチョウでした。


小満の次候は、紅花栄です。

0205④小満②次候(紅花栄)みちくさ いたずら こどものじかん.docx.pdf

昨年の小さなコラムでは、園内にある赤い実のなるものとして、ユスラウメ、グミ、ヘビイチゴを紹介しました。


今年も、築山の上のユスラウメは透き通った赤い実を付けてくれました。


5月後半、このタイミングを逃すともう食べられないという日に、年長児がかごを持って収穫しました。


今年はあまりたくさんは採れませんでしたが、きれいなユスラウメらしい透き通った感じの赤が印象的です。


数が足りず、結局一人半分ずつでした。その分、みんな慎重に口に運んでいました。初めて食べた子も多く、半分だけでは味も十分には感じられなかったかもしれませんが、とても貴重な体験ができた年長児でした。


小満の末候は、麦秋至です。

0205④小満③末候(麦秋至)みちくさ いたずら こどものじかん.docx.pdf

昨年のこの時期は、3か月間の臨時休業がようやく開けて、幼稚園が再開し、6月初めの入園式という前代未聞の事態でした。あれから1年が経ったのですね。


今年も5月後半から、アジサイがきれいに咲き始めています。

園だより6月号の巻頭言に、アジサイは前任の先生が挿し木してくれたものと紹介しましたが、実は、もう一つ別のアジサイもあるのです。


昨年の入園式は6月だったので、式場に飾った花がアジサイだったのです。その花を式の後、プランターに植え替えたものが、今年も花を付けたので、アジサイが増えているという訳です。


虫や草や花を見て、きれいだなぁ、すごいなぁと心が揺さぶられる経験をたくさんしている青南幼稚園の子どもたちです。毎年、その感動をいろいろな形で描くことが楽しくて、対象や技法などは違っても、繰り返されてきていることで、子どもたちの表現遊びの文化として受け継がれつつあるように思います。


この日は、年長児がアジサイを描きたいと、ペンで細かく描き、固形絵の具で色付けをしていました。一足早く帰る年少組の親子が、「すごいね」「きれいなアジサイが描けているね」と感心して声を掛けてくれ、小さな画伯たちはちょっぴり誇らしげです。


きれい、おいしそうと思ったときに、その感動を絵に描いてみると、子どもらしい個性的な表現が生まれることを先生たちも学んできています。このような活動は、先生たちが自然との関わりが表現活動を豊かにすることが実感できており、おもしろいと思っていることが大事なポイントだと思っています。そして、そのために教材研究や指導の工夫もたくさんしているからこそ、この姿が見られているのです。