小さなコラム「みちくさ いたずら こどものじかん」

小さなコラム 夏 夏至 その1

2021年7月2日 16時11分

梅雨らしい日々が続いています。昨日も今日も一日中雨で、外遊びができないのですが、昼過ぎにウッドデッキから園庭を眺めていた年少児が、「あ~、砂場が海になってる」とつぶやいていました。空を眺めて外で遊べないねとは言いながらも、雨が木々に打ち付ける様子や砂場の様子をおもしろがる心は子どもたちにかないません。

さて、夏至も末候を迎えていますので、6月21日からの夏至の季節の自然や子どもたちの様子を昨年の同じ季節の小さなコラムと比較して紹介したいと思います。今回はジャガイモの話題です。

二十四節気「夏至」.pdf


夏至の初候は、乃東枯です。

0206⑥夏至①初候(乃東枯)みちくさ いたずら こどものじかん.pdf



昨年の小さなコラムは、6月中旬に、畑で育てたジャガイモを収穫して、数えた様子をお知らせしました。

今年も、昨年度末に種芋を植えたジャガイモが大きくなってきており、好天が続いた28日に芋掘りを決行しました。

「うわぁ、たくさん!」「これならみんなで食べられそう」と言いながら、「こっちにもあった」とみんな大喜びで掘りました。


たくさん収穫できたものを数えてみることにしました。去年もそうでしたが、ここで今までの経験を生かしたり自分の頭で考えたりすることを大事にするのが幼児教育の肝です。


そして、この子たちは紙テープを使って長さを計っているところです。


これは、進級してから時々楽しんできたカプラタワーゲームで高さを比べるときに紙テープで比べてきた経験が心に残っていたからです。おもしろい発想です。


ジャガイモをベンチの上に並べてみたときに、長さを計ればいいのだと感じたのでしょう。でも分かったのは芋の数ではなく、ベンチの長さだったという経験は決して間違いでもなく、大事な試行錯誤であり、何物にも代えがたい実体験なのです。


大きいものと小さいもので分けるという試みもしていました。また、「全部で50個だった」「違うよ、31個だよ」という声も聞こえてきました。数えている傍から新しく掘れたジャガイモがどんどん追加されて混乱していたのです。


次に思い付いたのが、ある程度数えたらまとめて置いておくという方法でした。そんな試行錯誤をたくさん繰り返してきた頃に、遊びの中で卵パックを遊びの中で使っていたことを思い出せるように、さりげなく教師が気付かせると、この写真のように卵パックに入れると10個ずつの塊として数えられることに気付いて、試し始めました。


最終的には、卵パックが33個ということで、330個も収穫できました。小さいものや緑の物など食べられないものを除いても約170個はみんなでおいしく食べられそうでした。


ジャガイモ掘りの翌々日、朝のうちに先生たちが皮むきしたジャガイモを茹でて、こふき芋のようにしていただきました。年少児はお皿にのった芋を見ただけで、もううれしくて仕方ない表情です。


その翌日には、芋をずっと育ててたくさん頑張った年長児は、少し厚切りのポテトチップスもいただきました。

食べ終わると、職員室に「おいしかったです。お料理してくれてありがとうございました」とお礼を言いに来てくれるのもうれしい姿です。食を通じていろいろな側面が育つところも、自然との関わりのおもしろさだと改めて思います。